このプログラムは個人を対象としたプログラムです。 何人以上、何名までという形で募集するツアーではありません。小学校の高学年から高校生までを対象とし、カナダという日本とは異なる環境で生活を送ることによって、視野を広げ、感受性を刺激し、「気分転換」を図ってもらうことを第一の目的としています。 滞在期間は2週間から一年間まで、必要に応じてアレンジしています。
現代の暮らしは情報化社会、都会にいると否応なくいろいろな情報に取り囲まれてしまいます。 文明社会の恩恵に他なりませんが、子供にとってはどうなのでしょう? あまりにも多くの異なった情報に支配されてしまえば、何が正しく何が間違っているか、大人でさえも判断が難しい状況というものに常にさらされる事になってしまう気がします。 それらを自分で噛分けることのできる子は、現代社会に適応しながら育っていくのでしょうが、そうでない子もたくさんいると思います。 混乱、不安、絶望。 そうした思いと常に格闘しながら生きていくことの難しさ。 しかし、それに対応していかなければ置いてきぼりを食ってしまうという焦燥感。 それらに苛まれながら育っていく子供たちにとって精神的なストレスがどのようなものなのか、想像に難くありません。
将来が見えない、何をしていいか分らない、自分自身の存在価値が分らない。 これらは恐らく思春期の若者が持つ共通の悩みだと思います。 そうして行き詰まってしまった時、どこかに逃げ道があればどれだけ救われるか分りません。 しかしどこへ一時避難すればよいかを見極めるのも容易なことではありません。
カナダは途方もない大きさを持った自然豊かな国。 都会を一歩出るとそこには未開の大地が広がります。 その中で人々は、美しく厳しい自然と共存しながらシンプルに、かつたくましく暮らしています。 太古の昔より先住民にとってこの地は恵み豊かな母なる大地。 食料として魚を釣る、住処を作るため木を倒す、暖を取り、料理するため火を起こす、水は川から汲んでくる。 これらの作業は生きていくために必要不可欠なもの、人間の進化と共に繰り返されてきたものでした。 基本的には現代においてその必要性は何も変ってはいません。 ただその作業の量が大幅に減っただけのこと。 文明が発達する以前においてその膨大な作業をこなす毎日の中には、どれだけ自由な時間があったのでしょう。 これはちょっと手軽なキャンプ生活でもしてみればすぐに解ります。 余計なことをじっと考えている時間はありません。 現代社会はすべてが便利になりました。 生活の基本である衣食住を確保するための時間や努力に費やす時間は極端に少なくて済むようになった反面、時間を持て余すがために、必要以上の情報に振り回され、人は様々な悩みも抱えるようになってしまったような気がします。 もし、生きるためだけに忙しければ、つまらぬ悩みを抱える暇などないでしょう。
物心ついたときには暖かな家の中で物に囲まれ暮らしていて、蛇口を捻れば水が出て、冷蔵庫を開ければ食料があり、ましてやそれを自分で料理することもなく毎日暖かくおいしい食事を当り前に食べられて、トイレは水を流せばきれいになる、ということがどれだけ恵まれたことなのか、一体どれだけの子供が、いや大人も含めた日本人が認識しているでしょう。 自然の中に身を置くという事は、そうした人間という生物が生活する上で必要な基本事項を再認識することに他なりません。 そうして自分の面倒を自分でみるということがどれだけ大変なことで、またやりがいのあることかに気づいたとき、人は今までと違った視点で物事を見られるようになるのかもしれません。
もうひとつ、海外という環境を考えてみた時、国内ではなかなか体験できないいくつかの要素が隠されています。 私事で恐縮ですが、私たちジャパナダのスタッフはそれぞれが様々な希望と夢と不安を抱えて日本を飛び出し、幸いなるかな現在はこうしてカナダという国で暮らしています。その善し悪しはさて置き、カナダに来て一番良かったと思うことは、日本という国を客観的に見直すことが出来たことというのが共通する意見です。
海外に出た時、もしそこにあなた1人の日本人しか居なかったら、本人の意思に関らず、あなたの発言、行動が、周囲の人にとって日本という国を量る材料になります。 そうした時にどれだけ正確に日本のことを伝えられるでしょう。 どれだけ日本のことを知っているでしょう。 また自信を持って自分は日本人だと言えますか? そうして日本のことを知るための努力をしてみると、今まで見えなかった日本という国が違った形で見えてきます。 それがどうした、と問われればそれまでですが、よく言われる国際人の養成ということは、そのような自覚を促すことが不可欠な要素であると思います。 感受性が豊かで与えられた物事をどんどん吸収できる子供のうちにそうした環境に身を置くことは、将来の人生において決してマイナスにはならないと信じています。 何から何まで用意してあるところに連れて行くのではなく、やらせてみながら何が出来て何が必要かを自らつかみ取っていくような、そんな体験を日本の子供たちにさせてあげられることが私たちの願いであり、カナダという環境が持つ包容力を生かせるひとつの方法だと考えています。
そんな考え方に賛同していただけるなら、私たちにご一報下さい。